さて、どういう食物がアレルギーを引き起こしやすいのでしょうか?日本では三大アレルゲンとして、卵、牛乳、小麦が挙げられています。厚生労働省「食物アレルギー対策検討委員会」の調査結果によると、原因食物となる割合は、卵が28%、牛乳が19%、小麦が11%となっています。このうち卵、牛乳による食物アレルギーの場合は、多くの場合、乳幼児期に発症し、成長とともに治る場合が多いのですが、小麦アレルギーの場合、成人患者が多く、かつ、治りにくいと言われています。さらに、小麦アレルギーは増加傾向にあるとも言われています。事実、以前は三大アレルゲンとして、卵、牛乳についで大豆が問題視されていましたが、現在は小麦が3位になっています。
一方、アメリカやヨーロッパでは、卵、ピーナッツ、牛乳、魚、小麦の順であり、特にピーナッツが社会問題化しています。(例えばアメリカでは、学校の食堂や航空機内でのピーナッツバターやピーナッツ等を締め出す方針をとっているそうです。)このように、食物アレルギーの原因となる食物は、その国の食習慣の影響を受けることが指摘されています。 |
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| 三大アレルゲン以外では、我が国では、そば(4.2%)、エビ(3.2%)、ピーナッツ(2.4%)、大豆などの順で原因食物となっています。そばは従来から日本において重篤なアレルギー疾患の原因食品として有名で、頻度は多くないものの、ごく微量でアナフィラキシーなどの重篤な症状を呈する場合があります。その他、肉類、魚類については、ある一人の患者さんにとって全ての肉類あるいは魚類がアレルゲンになるという訳ではない場合が多いと言われています。例えば、「牛肉は食べられない(アレルゲンになる)けど、豚肉ならば大丈夫」という方もいらっしゃるし、魚類の場合も、摂取が何ら問題とならない魚種もあります。これら肉、魚のアレルゲンについては、三大アレルゲンと比較するとこれまで研究例が多くなかったのですが、現在、詳細に検討されようとしています。 |
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| 最後に、2種類の新しいタイプの食物アレルギー、つまり、口腔アレルギー症候群と、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーについて、簡単にご紹介します。前者は、特定の果物(キウィ、メロン、モモ、パイナップル、リンゴなど)や野菜の摂取により口唇や口腔内にかゆみなどを生じます。近年報告が増えてきており、患者は成人に多いとされています。一方、後者は、非常にまれな疾患ではありますが、ある特定の食物(小麦や甲殻類)と運動の組み合わせで、ショック症状(アナフィラキシー)に至るほど危険なものです。これは、食物アレルゲンのみ、あるいは運動のみでは反応が見られず、両者が組み合わさって初めて症状が出現します。具体的には、パンを含む給食を摂取した後、昼休みに激しい運動をして発症するケースなどが報告されています。(
2004年 6月記) |